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ZerionとOwlioを比較:暗号資産ポートフォリオトラッカーの選び方と使い分け

Zerionはトレード機能を備え、DeFiへの対応も手厚いウォレットです。Owlioは独自のサーバーを持たない、読み取り専用のChromeサイドパネルです。どちらもアドレスだけでウォレットを無料で表示でき、選択の決め手になるのはトレード、ネットワーク、プライバシーです。

この記事でわかること
  • 同じ基準で比べたZerionとOwlio:ネットワーク、DeFi、損益、アプリ、料金
  • Zerionのサーバーと、Owlioがデータを取得する公開サービスには、あなたの何が見えるか
  • Zerionでウォッチしているウォレットを、Owlioに追加する方法

ZerionかOwlioか:結論から

ZerionもOwlioも、公開アドレスだけでウォレットを無料でウォッチできます。ウォレットからトレードもしたい、DeFiのポジションを損益(PnL)まで含めて詳しく追いたい、スマートフォンでポートフォリオを見たいという場合は、Zerionが向いています。パソコンでウォレットをウォッチするだけでよく、独自のサーバーもアカウントもアナリティクスも持たないトラッカーを使いたい、EVMの資産と並べてBitcoinやTONも持っているという場合は、Zerionの代替としてOwlioが向いています。

  • Zerionを選ぶのは、同じアプリでスワップやブリッジを行う場合、追跡が必要なLPポジション、レンディング、負債を持っている場合、あるいはポジションごとのPnL(有料機能)を見たい場合です。
  • Owlioを選ぶのは、Chromeのサイドパネルで読み取り専用の画面を使いたく、EVMのウォレットのほかにBitcoin、Tron、TONのウォレットも持っている場合です。
  • 両方使うのは、Zerionをウォレットとして使いつつ、パソコンでは別に読み取り専用で全体を見渡したい場合です。

Zerionに関する情報は、本文と出典一覧にリンクしたZerionの公式ページに基づき、2026年9月25日に確認したものです。リンク先のZerionのページは英語です。Owlioに関する情報は、同日にChrome ウェブストアで公開されていたバージョン1.0.0のものです。

ZerionとOwlioはどんなツールですか?

Zerionは、ポートフォリオトラッカーを内蔵したセルフカストディ型の暗号資産ウォレットで、iOS、Android、デスクトップのブラウザ、Webで使えます。Zerionのダウンロードページによると、ウォレット、Webアプリ、ブラウザ拡張機能は無料で、同じアプリでトークンの送金、スワップ、ブリッジができます。

Owlioは、Chromeのサイドパネルで開く無料の暗号資産ポートフォリオトラッカーです。サイドパネルは、タブを切り替えても開いたままです。Owlioは読み取るだけです。渡すのは公開アドレスで、秘密鍵やシードフレーズを求めることは一切なく、トランザクションに署名することもできません。サーバーもアカウントもないため、ウォレットの一覧も、Owlioがダウンロードしたものも、すべてお使いのブラウザの中にとどまります。

ZerionとOwlioをひと目で比較

2026年9月25日時点 Zerion Owlio 1.0.0
概要 iOS、Android、ブラウザ向けのウォレットと、Webアプリ サイドパネルで使う読み取り専用のChrome拡張機能
アドレスでのウォッチ 可能。登録不要、ウォッチアドレスは無制限 可能。登録不要、すべてのウォレットが読み取り専用
アカウント ウォッチには不要 存在しない
独自サーバー あり。サーバーがポートフォリオを組み立てる なし。ブラウザが公開サービスに直接問い合わせる
ネットワーク 66を掲載、うち45で残高を自動追跡。Solanaあり、BitcoinとTONはなし、Tronは不明確 Ethereumとその他のEVMネットワーク、さらにBitcoin、Tron、TON
DeFiポジション 4,500+のプロトコル:LP、ステーキング、レンディング、負債、報酬 トークンとして保有するポジションのみ:ステーキングされたETHとAaveへの預け入れ
損益 Premiumで詳細なPnL 表示なし
取引履歴 無料 無料。バックグラウンドでダウンロード
トレード スワップとブリッジ、サービス手数料0.67% なし
料金 無料。Premiumは1ウォレットにつき年$99 無料
動作環境 iOS、Android、Chrome、Brave、Firefox、Arc、Web パソコンのChrome

Zerionの列は、Zerionのネットワーク、トラッカー、DeFi、Premium、ダウンロードの各ページ、ヘルプセンター、プライバシーポリシーをもとにしています。

ウォレットを接続せずにウォッチできますか?

はい。ZerionもOwlioも、公開アドレスだけでウォレットを表示でき、登録もシードフレーズも秘密鍵も必要ありません。ただし接続しなくても、アドレスはデータを提供する側に送られます。Zerionの場合はZerionのサーバー、Owlioの場合はブロックチェーンの公開サービスです。Zerionでは、アドレスをWebアプリに貼り付けるか、ウォッチアドレスとして追加します。Owlioでは、サイドパネルに貼り付けます。

Zerionのトラッカーページには、登録も接続も不要で、ウォッチアドレスの数に上限はないと書かれています。拡張機能では、こうしたアドレスを「Watch address」と呼びます。残高やアクティビティは表示されるものの、送金も署名もできない閲覧専用のウォレットです。スマートフォンアプリでは、これらのウォレットは別の「Watchlist」にまとめられます。

Owlioは何にも署名できません。追加したウォレットはすべて閲覧専用です。Bitcoin、TON、Tronのアドレスと、0xで始まるEVMアドレスを受け付けます。EVMアドレスは1つ追加すれば、Owlioが対応するすべてのEVMネットワークで読み取られます。

ウォレットを「追跡」や「同期」するためにシードフレーズを求めるサイトや拡張機能があれば、閉じてください。シードフレーズを知っている人は誰でも資金を動かせます。トラッカーにシードフレーズは必要ありません。

ZerionとOwlioには、あなたのどんな情報が見えますか?

Zerionは自社のサーバーでポートフォリオを組み立てるため、ウォッチしているアドレスはZerionに送られます。ほかに何を収集しているかは、Zerionのプライバシーポリシーに書かれています。Owlioにはサーバーがなく、開発者は何も受け取りません。それでも、Owlioがデータを読み取る公開サービスには、あなたのIPアドレスと追加したアドレスが見えます。つまりどちらの場合も、アドレスは自分で管理できないサーバーに届きます。

Zerionの場合、自社のAPIについてZerion Walletを支えているのと同じインフラだと説明しており、プライバシーポリシーではポートフォリオ表示のプロバイダーとしてAmazon Web Servicesを挙げています。つまり、あなたが見ているアドレスはZerionのサーバーに送られ、サーバーがポートフォリオを返します。

2025年11月26日に最終更新されたZerionのプライバシーポリシーによると、Zerionが収集するのは、デバイスの種類、ブラウザのバージョン、IPアドレス、所在地(都市と国)、インターフェースの使い方(タップ、クリック、スクロール)、公開ウォレットアドレスです。Zerionによれば、IPアドレスは可能な場合はハッシュ化して保存し、ログは14日間保持します。プッシュ通知のために、各デバイスが登録しているアドレスの一覧も保持しています。収集項目に、氏名、住所、生年月日は含まれていません。

ポリシーには、Zerionが連携しているアナリティクスサービスとして、Firebase、Mixpanel、Google Analyticsなどが挙げられています。Zerionアプリの「Settings」にある「Privacy」で「Share app usage analytics」をオフにすると、位置情報の収集と、Firebase、Mixpanelなど外部のアナリティクスツールへの利用データの共有が止まります。また、Zerionが所有していないWebサイトやアプリでのあなたの行動については、データを収集しないとも書かれています。同じポリシーによると、一部のターゲティング広告サービスの利用はカリフォルニア州法上の「共有(sharing)」にあたり、Zerionは個人データを金銭と引き換えに販売することはありません。

Owlioの場合、開発者がアドレスや残高、利用データを受け取ることはなく、拡張機能にはアナリティクスもテレメトリーもありません。追加したものも、Owlioがダウンロードしたものも、すべてお使いのブラウザにだけ保存され、ほかのどこにもありません。消去するには、「設定」を開き、「データ」セクションで「すべてのデータを消去」を押します。

とはいえ、これで誰からも見えなくなるわけではありません。残高と価格を表示するため、拡張機能はお使いのブラウザから公開サービスに直接問い合わせます。問い合わせ先は、ブロックエクスプローラー、インデクサー、ネットワークのノード、価格データの提供元、コンテンツ配信ネットワークです。Owlioのプライバシーポリシー(英語)にあるとおり、これらのサービスは、あなたのIPアドレスや追加したアドレスに加えて、Owlioが価格や画像をリクエストすることから、どのトークンやNFTを保有しているかも知ることができます。こうしたリクエストはすべて同じIPアドレスから送られ、保有資産の組み合わせは一意であることが多いため、サービス側があなたのウォレット同士を結びつけ、さらにIPアドレスとも結びつけられる可能性があります。

「NFT」タブにカードが表示されると、Owlioはカードの画像を、その画像が置かれているサーバーから読み込みます。プレビューを個別にオフにする設定はありません。これらのリクエストを止められるのはプライバシーモード(「金額を隠す」ボタン)だけで、オンにするとすべての金額も同時に隠れます。画像のホスト側には、あなたのブラウザでどのNFTが表示されているかが伝わります。

ZerionとOwlioはどのネットワークに対応していますか?

対応ネットワークはZerionのほうがはるかに多く、ネットワーク一覧ページには66のネットワークが載っていて、Solanaを含む45のネットワークで残高を自動で追跡します。BitcoinとTONはこの一覧になく、TronについてはZerionのページによって答えが異なります。Owlioが読み取るEVMネットワークはZerionより少ないものの、EVMに加えてBitcoin、Tron、TONも読み取ります。

Zerionのネットワーク一覧ページには、66のネットワークと8つのテストネットが掲載されています。一覧が最後に変更されたのは2026年9月24日です。残高の自動追跡に対応していない残りのネットワークでも、Zerionが提供していれば送金、スワップ、ブリッジは可能です。Solanaはポートフォリオの追跡に対応していますが、Zerionのヘルプセンターによると、SolanaのNFTとSolana上のプロトコルのポジションはまだ利用できません。BitcoinとTONは、ネットワーク一覧ページに載っていません。

Tronについては、Zerionのトラッカーページにはどのアドレスでも追跡できるとあり、ヘルプセンターはTronを完全対応のネットワークに挙げています。ところがネットワーク一覧ページでは、Tronのポートフォリオ追跡は利用不可とされています。Tronのウォレットが重要なら、Zerionにウォッチアドレスとして追加して、何が表示されるか確かめてください。

OwlioはEthereumをはじめとするEVMネットワーク(Base、Arbitrum、Optimism、Polygon、Gnosis、zkSync Era、Scroll、BNB Smart Chainなど)に加え、Bitcoin、Tron、TONを読み取ります。

ZerionとOwlioは、DeFi、取引履歴、損益をどう扱いますか?

この点では、Zerionのほうがはるかに深く対応しています。4,500を超えるDeFiプロトコルで、レンディングや負債を含むポジションを追跡し、有料のPremiumプランでは詳細な損益を表示します。Owlio 1.0.0が表示するDeFiポジションは、ウォレット内にトークンとして保有しているものだけで、損益は表示しません。ただし、取引履歴はどちらも無料で表示します。

DeFiトラッカーページによると、Zerionは4,500以上のプロトコルから、LPトークン、ステーキング中の資産、レンディングのポジション、負債、未請求の報酬を見つけ出します。トラッカーページのFAQには、トークン、NFT、DeFiポジション、履歴は対応するすべてのチェーンで無料であり、Premiumではポジションごとの損益、アラート、フィードのカスタマイズが加わると書かれています。実現損益と未実現損益、平均取得単価は、ヘルプセンターの言葉を借りればZerion Premiumの機能です。

Owlioの「DeFi」タブが表示するのは、ウォレット内にトークンとして保有している2種類のポジション、つまりステーキングされたETHとAaveへの預け入れです。対象はこれで全部です。Uniswap v3型の流動性レンジ、ネイティブステーキング、負債は読み取りません。取引履歴は無料のソースからバックグラウンドで少しずつダウンロードされるため、履歴がすべてそろうまでに数時間、場合によっては数日かかることがあります。

履歴がそろってくると、「パフォーマンス」のチャートに、1週間、1か月、1年、または全期間のポートフォリオの価値と、その変化の内訳(入金、出金、価格変動)が表示されます。2本目のライン「すべてBTCだったら」は、BTCを持ち続けていた場合と結果を比べます。取得原価と損益は表示されません。

エアドロップで届いたトークンや、有名なシンボルをまねたトークンなど、Owlioが検証できないトークンは、合計額にもどの割合にも含まれません。価格ソースが応答しない場合は、合計額を表示せず、トークンの数量は画面に表示したままにします。「データの状態」画面では、残高を読み取れたかどうかと、そのデータがどれだけ新しいかをネットワークごとに確認でき、読み取れなかったネットワークやデータソースのないネットワークには印が付きます。Owlioが読み取らないネットワーク上の資産は、パネルのどこにも表示されません。そのため同じウォレットでも、OwlioとZerionで合計額が異なる場合があります。

ZerionとOwlioはいくらで、どこで使えますか?

ウォレットのウォッチは、どちらも無料です。Zerionはさらに、1ウォレットにつき年$99のPremiumを販売しており、スワップとブリッジには0.67%のサービス手数料がかかります。動作環境はスマートフォン、4つのデスクトップブラウザ、Webです。Owlioには有料プランもトレード機能もなく、動作するのはパソコンのChromeだけです。

Zerion Premiumは1つのウォレットを1年間対象とするもので、自動更新はされません。0.67%のサービス手数料は、Zerionに組み込まれたスワップとブリッジに適用されます。ダウンロードページによると、ZerionはiOSとAndroidのスマートフォンで動作し、Chrome、Brave、Firefox、Arc向けの拡張機能としても、あらゆるブラウザで開けるWebアプリとしても利用できます。

Owlioには、パソコンのChrome 114以降が必要です。インターフェースは10言語に対応しています。スマートフォンアプリはありません。

Zerionでウォッチしているウォレットを使ってOwlioを試す方法

Zerionの代替としてOwlioを試すなら、必要なのはすでにウォッチしている公開アドレスだけです。手順は数分で終わり、Zerion側では何も変わりません。

  1. Zerionで、ウォッチしたい各ウォレットの公開アドレスをコピーします。EVMアドレスは0xで始まります。どの手順でも、シードフレーズや秘密鍵は必要ありません。
  2. Chrome ウェブストアからOwlioをインストールします。アドレスバーの右側にあるOwlioのアイコンをクリックすると、Owlioがサイドパネルで開きます。アイコンが見当たらない場合は、Chromeの拡張機能メニュー(パズルのピースのアイコン)を開き、Owlioをクリックします。アイコンを常に表示しておくには、拡張機能を固定します。
  3. 最初のアドレスを貼り付けて、「アドレスを追加」を押します。残りのウォレットは、ほかで管理しているBitcoin、Tron、TONのウォレットも含めて、「すべてのアカウント」の一覧か「設定」から追加します。
  4. 最初に残高が表示されます。履歴のダウンロードはバックグラウンドで続き、「データの状態」画面で、ネットワークごとに何が読み取られたかを確認できます。読み取れなかったネットワークがあれば、その画面から再試行します。
  5. Owlioの環境をほかのブラウザに移すには、「設定」の「データを書き出す」を使い、移行先のブラウザで「データを読み込む」を使います。

出典